本日、三ツ池自主防災会は、東海市社会福祉協議会の森下さんをお招きし、防災講演会を開催しました。
森下さんは能登半島地震から1ヶ月を経過された時点で、東海市社会福祉協議会から珠洲市災害ボランティアセンターへ派遣された方で、そこで体験された実体験をお話してくださいました。
能登半島の先端に位置する珠洲市。普段は金沢市から通常1時間半程で到着するにも係わらず、地震の影響で道が地割れし、山崩れもあり、金沢市から珠洲市到着まで6時間もかかったそうです。
当時は道の状態が悪く、一般ボランティアが入れない。入っても何も出来ない状況の中で、森下さんは、被災者の方にライフライン・住居・食事・風呂・洗濯等の問題を聞き、被災者の方が、明日生きていけるように話を聞く、訪問調査をされました。
このように倒壊した家屋には危険を知らせる赤紙が貼られていますが、倒壊された家屋の中で、ヘルメットを被り住んでいる高齢夫婦もいらっしゃいます。
中には昨年の5月の地震で倒壊した家屋をリフォームした矢先に1月の地震で再度家屋が倒壊、心が折れてしまった方もいらっしゃいます。
また道の状態も悪く、ほとんどのマンホールが隆起してしまい、夜は道路を通行する事に危険を伴います。
テレビではあまり放映されませんが、倒壊した家屋や道など、状況は今でもほとんど変わっていないそうです。
避難所運営の話になりますが、マニュアルがあってないようなもので、また正解もありません。
・土足厳禁
・使用ルールの徹底
・要配慮者へのスペース作り
が大切であるという事でした。
段ボールを使った靴箱、養生テープに「お帰りなさい」と書いて被災者の方のお気持ちに寄り添う工夫がされてました。
こちらは避難所に住んでいる方がルールを作り上げた洗濯場です。
こちらは簡易トイレです。いざ使おうとして、そこに説明書が付いていても、実際どうやって使用し、汚物をどう処理すればよいか分りません。
これは普段練習をしないといけません。
また地域の取組みとして、地元の銭湯を高校生・大学生が運営しお風呂の供給したり、そこを拠点として市民の集いの場として活用をされています。
災害が起きると携帯が繋がりにくくなります。森下さんが珠洲市へ派遣された時期も移動式の電話会社のアンテナは来ていたが、1時間に1通ラインが届いたぐらいだったそうです。
このように集いの場があると情報交換等ができます。
一番困った事は、被災1ヶ月目は電気は通って、飲み水はあったが、トイレを流す水などの生活用水が不足していたとのことでした。
やはり普段から水を用意することは大切な事であると再確認ができました。
ボランティアはふんわりではなく、ピンポイントで何が今必要かおさえることが必要です。
時間を追って課題も変化します。求められるボランティアは被災者の声をしっかり聞いて、避難所運営を行なわなければいけません。
自主防災会として、避難所運営で求められる事、普段からの備え等、改めて考えさせられた良い講演でした。